日本におけるインフルエンサーとしてのバーチャルYouTuber

YouTubeは世界でもっとも大きなメディアネットワークの一つです。そして、YouTubeにおいてチャンネル登録者とのより強い繋がりを獲得するための最新の方法は、バーチャルYouTuberというアニメに似た手法です。

VTuberとも呼ばれるバーチャルYoutuberとは、一体どのようなものでしょうか。

この新しい種類のYouTuberは近年日本で知名度を上げ始めています。2018年の3月に1,000人だった日本のバーチャルYouTuberは、2018年の10月には5,000人にまで増加しています。

バーチャルYouTuber「キズナアイ」のYouTubeチャンネルのスクリーンショット

バーチャルYouTuber「キズナアイ」のYouTubeチャンネルのスクリーンショット

バーチャルYouTuberとは?

バーチャルYouTuberは多くのYouTuberと同じように、Vlogや商品のレビュー、話をするといった活動をしています。

 唯一の大きな違いとして、多くのバーチャルYouTuberの動画では一般的なYouTuberのように自身が動画の主役となる訳ではなく、アニメのキャラクターがフィーチャーされていることです。

 このキャラクターは人の動きを追跡するモーションキャプチャー技術で作成されており、各バーチャルYouTuberは独自のテクニックを持っています。バーチャルYouTuberと共にこの領域で活動する数少ない会社として、iKinema、Activ8、FaceRigなどが挙げられます。

 通常、キャラクターの声は声優によって吹き込まれるか、投稿者の声を編集して作られています。

インフルエンサーとしてのバーチャルYouTuber

初期から活動する以下のバーチャルYouTuberには、多くのオーディエンスを獲得してきたものもいます。

キズナアイは最もポピュラーなバーチャルYouTuberであり、 YouTube上で230万人以上のチャンネル登録者がいます。キズナアイに追随するバーチャルYouTuberとしては数十万人のチャンネル登録者を持つ輝夜月 (かぐやるな)ミライアカリSiro Channelなどがいます。

これらのバーチャルYouTuberは、他のチャンネルにおいてもかなりの数のオーディエンスを持っていることが多く、例えばキズナアイはTwitterで481,000人のフォロワーを持ち、Instagramでは111,000のフォロワーを持っています。

 バーチャルYouTuberには音楽の世界に進出しているものもおり、日本のTV番組はキズナアイや富士葵などのバーチャルYouTuberを取り上げています。

動画の中でバーチャルとリアルの世界を融合させるバーチャルYouTuberの富士葵

現実の世界での活動としては、キズナアイがライブを行うことを発表しており、チケット代は8,000円台です

日本の一部の企業政府機関は、すでにバーチャルYouTuberをマーケティング目的で起用しています。多くのバーチャルYouTuberは、これらのクライアントとの交渉においても自身のアイデンティティを守ることを求めており、対面したり正体を公開したりすることはほとんどありません。

 バーチャルYouTuberの存在が一体どれほど大きくなっていくのかは未知数です。しかし、バーチャルYouTuberを起用したインフルエンサーマーケティングの目的は、他のあらゆる種類のインフルエンサーマーケティングと同じく、人気のある、高いエンゲージメントを持ったアカウントによりブランドや製品をアピールすることです。

 現在の日本において、バーチャルYouTuberはインフルエンサーマーケティングの新しい選択肢となっています。


石田 バレット

海外向けマーケティングディレクター

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