なぜ日本語翻訳だけでは不十分?日本語コピーライティングのチェックポイント
自国の英語コンテンツを日本語コンテンツにローカライズしてほしい、というご依頼を多くいただきますが、次のような質問を同時にいただきます。
翻訳サービスを活用すれば安価に制作できるのでは?
あなたも日本語が分かるから、コピーライティングできるんですよね?
日本語にすると随分文量が多く見えるけど、本当に必要?
今回は、なぜ翻訳だけでは不十分なのか?日本語コピーライティング独自の難しさについてお伝えします。
文字情報を重視する傾向にある日本の人々
Adobe社の日本人のデジタルコンテンツ消費に関する調査によると、ブランド企業からのコンテンツについては、「だらだらと長い/文章が下手」なことに最も不愉快になるという回答が43%で、2位「パーソナライズされすぎていて気持ち悪い」(25%)と差をつけて最も多い結果が出ています。
情報伝達には画像や動画もすでに当たり前の存在となっていますが、日本人の日常的に使用する漢字には一文字で複数の意味が含まれていることもあり、欧米諸国と比べて文字による情報、内容を気にしている日本人が多いと考えられます。
どうやって選ぶ? 漢字/ひらがな/カタカナ
たとえば「私」という単語は、「わたし」「私」「ワタシ」と書くことができます。これらはどれか一つが正解というわけではなく、全て正しい表記です。
ビジネスドキュメントなどかしこまったテイストは「私」、少しやわらかく見せたいときは「わたし」、ポップで親しみやすい印象を持ってほしいときは「ワタシ」などが多く持たれるイメージですが、一概にどれが正しいとは言い切れず、企業の場合は特に、ブランドイメージや方針によってつかい方が異なります。
さらに、日本語では一人称のバリエーションがたくさんあります。「わたしくし」「我」「オレ」「ぼく」「我輩」などの使い分けは、文脈やテイストの読み取りが必要となるため、機械翻訳のみでは難しいポイントの一つです。
相手や場所で変わる、敬語のつかい方
日本語独自の規則である「敬語」は使い方を誤ると失礼な印象を与えてしまうため、企業の発信の際の注意すべきポイントです。
例えばなにか誤りを訂正する際、ビジネスの場では「ごめんなさい」ではなく、「申し訳ございません」「すみません」をつかいます。
しかし、全てにおいて最高レベルの敬語をつかうことは、場合によってはかたい印象、近寄りがたい印象を与えてしまいます。SNSの投稿文冒頭では、「本日は〇〇の投稿をいたします。」と言うよりは「今日は〇〇の投稿です!」と言った方がユーザーとの距離が近い印象です。
ただしどちらも正しい日本語であるため、状況や場所によって、つかい分けの検討が必要です。
ビジュアルも難しい日本語
主語・述語が順番通りに過不足なく並んでいなくても意味が通じる日本語は、同じ内容でも文章の長さが大きく変わります。
たとえば、下記は同じ内容を示していますが、長さが2倍以上異なります。
諸外国と比べて文字情報を重視する日本人ですが、ただ文字を多く書けば良いというわけではなく、簡潔でない情報は一瞬で離脱されてしまいます。最悪の場合、ブランドにマイナスのイメージを持つことにもつながります。
今回は、僕が実際に日本のネイティブコピーライターと話すことが多い点をシェアしました。
企業が日本語でコピーライティングをする際に気をつけるべきポイントなどさらに知りたい場合は、お気軽にご連絡ください!