日本独自のプラットフォームnoteとは?企業はどのように活用できる?

日本へのマーケティングを考える際、InstagramやTwitter、YouTubeなど、SNSや動画の活用をどうするか検討することはもちろん他国と同様に必要ですが、特に「ブログ」「オウンドメディア」といったテキストコンテンツでの発信をどのようにするかを考えることは、重要なポイントの一つです。

「なぜ日本語翻訳だけでは不十分?日本語コピーライティングのチェックポイント」でもお伝えしたとおり、日本では他国と比べテキストコンテンツが好まれる傾向があるからです。

企業がオウンドメディアの運用をする場合、いくつかの方法がありますが今回は、日本独自の特徴的なプラットフォームであり、近年企業の利用も増えている「note」についてご紹介します。

日本のユーザーへのコミュニケーション方法の検討材料として、プラットフォームの理解やオウンドメディア施策の検討にお役立てください。


noteについて

noteは2014年に日本で始まったサービスで、「クリエイター」と呼ばれる投稿者が文章や画像、音声、動画を投稿して、ユーザーがそのコンテンツを楽しんで応援できるメディアプラットフォームです。無料の会員登録をすれば、個人・法人、プロ・アマチュア問わず、「クリエイター」としてnoteの投稿が可能です。

ユーザーとして閲覧するだけであれば会員登録は不要で、通常のブログサービス同様、自由にページを閲覧することができます。


✔️ 2020年にMAU *が6300万人を超えました。(参考:日本のInstagram MAUは3300万人)

*MAU:1ヶ月にnoteを訪問したアクティブブラウザ数

✔️ note会員数は2022年4月時点で500万人 (閲覧は会員・非会員問わず可能で、投稿は会員のみが可能です)

✔️ 最も多いユーザー層は、20〜40代ビジネスパーソン

noteが近年日本でよく活用されるようになった理由の一つは、「だれもが創作を楽しんで続けられるよう、安心できる雰囲気や、多様性を大切にしている」世界観づくりにあります。特徴的なのは、ユーザーが閲覧して良いと思った記事に「スキ」と呼ばれるリアクションボタンを押したり、「サポート」と呼ばれる投げ銭を行えたりすること、投稿した記事で閲覧数が多いものは「あなたの記事が注目されています」といった通知が来るなど、UIやインタラクティブ性に工夫がされてます。

日本国内では特に、TwitterをはじめとするSNSによる炎上や誹謗中傷による自殺事件など、デジタルコミュニケーションにおいて近年ネガティブなニュースが目立ちますが、noteでは安心してユーザーが使える工夫や、クリエイターが創作を継続しやすい工夫がされています。

たとえば、多くのブログサービスでは「PVランキング」のコーナーが存在しますが、noteにはランキングコーナーはありません。必ずしも、PV数の多さがコンテンツとしての価値の高さとは限らないという考えのもと、SNSでシェアされた回数や、note編集部視点でおすすめしたいコンテンツであるかなど、独自の基準で投稿した記事がピックアップをされたり、note公式SNSアカウントで紹介されることもあります。

また、note内に広告枠はないためユーザー側としては他ブログサービスと比べページ閲覧がしやすく、PVを荒稼ぎしようとする投稿者も生まれづらい環境です。

noteのホームページ


noteProについて 


通常のnoteアカウントを企業やブランドが使用することも可能ですが、noteProと呼ばれる法人プランもあります。

月額5万円〜の費用がかかりますが、Proプランでは、継続しやすい運用体制・戦略のnote社からのサポートサービスが受けられたり、予約投稿・コメント非表示・オリジナルデザインなどのカスタマイズ機能の利用ができたりします。

note社によると、通常noteとnoteProの企業利用を比較した場合、notePro企業の方が通常の5倍のPVを獲得しています。

note proのカスタマイズ

企業の活用事例

国内大手飲料メーカー KIRIN

KIRINの公式note

ビールやお茶などの大手飲料メーカーKIRINは、noteの企業利用の中では初期の、2018年からnoteを活用していました。

自社の製品開発秘話コンテンツなどと公開するだけでなく、ユーザー参加型コンテストを開催し、話題を集めています。同社製品のビールや紅茶などにまつわる、エッセイやフィクションなどのnote投稿をユーザーに募るものです。

たとえばnote社と共同で実施した「#あの夏に乾杯」コンテストでは、KIRINの主力製品でもあるビールにまつわる夏の思い出をテーマとして募集し、4000件以上の応募が集まりました。ビールが日本の夏を象徴するものの一つであるという、文化的背景から設定された多くの日本の人が共感できるテーマです。




D2Cアパレルブランドfoufou

日本のD2Cアパレルブランドfoufouは「健康的な消費」をミッションとして掲げるブランドで、大量生産やセールをしない姿勢など、ブランド哲学を熱量高くnoteに綴っています。

D2Cアパレルブランドfoufouのnote

noteのfoufouトップページには、「初めてfoufouを購入する方向け」の記事がピン留めで設置されています。foufouのブランドとしての考え方、購入方法や洋服の取り扱い方がまとめられています。その他、新しい服の販売情報やデザインについてのストーリーなどが更新されています。

こうしたコンテンツは、ブランドに対して興味関心が薄いユーザーにとってはヘビーな内容ですが、熱量の高いファンとのつながりを保ちつづけるために大切な役割を果たしています。


SmartHR

クラウド人事労務管理システムを提供する国内企業Smart HRは、働く人の見える化をnoteで実現しています。

社内の各部署のメンバーによるブログを公開し、仕事に対する考え方や会社のカルチャーが見えるように発信をしています。

SmartHRセールス

SmartHRデザイン

こうしたコンテンツは、採用広報や、顧客との話題づくりなどの役割を担っています。

もちろん、企業の発信する場所はnoteに限られていません。今回は、日本の独自プラットフォームであるnoteがどのようなもので、どんな使われ方がされているのかにフォーカスし、お伝えしました。

日本への発信やプロモーションを検討しているが、noteを使うべきなのか?そもそもオウンドメディアをやるのが本当に効果的なのか?SNSや他の施策との関係はどのように考えたらいいのか?、詳しく知りたい方は、お気軽にご連絡ください。


佐藤 佳穂

アカウントプランナー

Previous
Previous

日本の簡単開設ECサービスBASEとSTORESを紹介

Next
Next

SNSにおけるフォロワーの重要性が低下している、その理由は?